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【番外編12】 通算51回目ニューメキシコ州出張 7月25日(火)~8月2日(水) [オルテガ社とチマヨ周辺]

今日は9月11日。既にマスコミ各方面をはじめとして、9.11アメリカ同時多発テロのことは喧伝されているので、ここでは多くを書くつもりはありません。が、ちょうどオルテガ社の店内写真を公開するつもりだったので、急遽この1枚を加えることにしました。

このブランケットは、9.11テロの直後に私が織り、2001年11月上旬のニューメキシコ州出張の際、オルテガ社に寄贈した作品です。50個の星の代わりに、チマヨ・ブランケットの典型であるダイアモンド模様を織り込み、商品に隠れて見えない星条旗の下の部分には、「LOVE AND PEACE」の文字を入れました。

文字通りの意味と、全く逆の「神様が見ているのだから・・・」という意味を込めたつもりです。いずれにしても、今でもオルテガ社の店頭に飾られているのは、私としても嬉しい限りです。

 (この写真のみ、2006年1月13日の撮影です。あしからず)

 

 

 

ここからが本編です。 

撮影は、7月28日(金)の正午。場所はアメリカ合衆国ニューメキシコ州の北東部、Chimayo(チマヨ)にあるオルテガ社の店内です。

ラグを織っているのは、オルテガ社の7代目、現社長の長兄クリスさんです。会社勤めを数年前にリタイアされて、現在は弟さんが経営するオルテガ社の有能な手織り職人として、デモンストレーションを兼ねて織っていらっしゃいます。

日本で普通に考えると、長男が代々続く家業を引き継ぐのが当たり前のようですが・・・ここのお宅は、3男が職人頭、4男が社長という変則経営で、実にうまくいっているようです。ひとりひとりの性格と個性を見抜き、経営に活かした先代(つまり、彼らの父親)の故デービッドさんは偉かった。

さすがに血筋です。そして、子供の頃から親や周りの人たちから教わっていたから、長いブランクの後に復帰しても、素晴らしい作品を織り続けていらっしゃいますね。

 

かなり使い込まれて年季の入った、Treadle Loom(トレドル・ルーム)=立って織る木機(きばた)です。ちなみに、白い縦糸は英語でWarp(ワープ)、色の付いた横糸はWeft(ウェフト)といいます。

 

 

同じく年季の入ったBoat Shuttle(ボート・シャトル)⇒舟形飛び杼(ひ)と、幅の広いストレッチャーです。

ここのシャトルは、昔ながらの形と軽くて硬い木材を使用した、ハンドメイドの特注品です。私も、全く同じシャトルを分けてもらって、当店で愛用しています。市販のシャトルよりも軽く、より多くの糸を巻いたボビンを装着できるので、とても便利です。

ちなみに、シャトルバスやスペースシャトルなどの語源は、同じ軌道を往復する、こういった機織りの「シャトル」らしいですよ。

 

 

シャトルは、中央の着脱式シャフトに、色糸を巻きつけたボビンを装着して使います。これは、ラグ用の太い横糸の束を、ボビンに巻き直している作業風景です。簡単にやっているように見えるんですが、やはり年季が必要な作業です。効率を上げる為に、ここではモーターを使っていますが、当店では原始的な手回しのボビン・ワインダーを使っています。

 

次回は、この出張レポート「番外編」を1回お休みして、私の愛用ギターの1本をご紹介する予定です。 

 

本業サイト http://www.e-beartrack.com では、9月19日(火)まで「平成18年7月豪雨」被災地への義援金チャリティーを行なっています。詳しくは、左カレンダーの7月22日(土)をクリックするか、http://blog.so-net.ne.jp/beartrack/2006-07-22 からご覧下さい。

 

Boomer's Story

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  • アーティスト: Ry Cooder
  • 出版社/メーカー: Reprise
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  • メディア: CD

邦題は「流れ者の物語」。ライ・クーダーのソロデビュー3枚目のアルバムで、オリジナル盤のリリースは、前作「Into The Purple Valley」と同じ1972年です。前作よりも、より南部色が濃い仕上がりになっています。プロデュースはジム・ディッキンソンとレニー・ワロンカー。あのスリーピー・ジョン・エステスとの共演(テネシー州での録音)も必聴。6曲目の「Dark End of the Street」は名曲です!派手さは全くありませんが、ライ・クーダーの十八番の、渋いスライド・ギターを聴ける名盤のひとつです。


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