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愛用のストラトキャスター (自称)ステュアート・アダムソン・モデル [ギター・アンプ・エフェクター]

ニューメキシコ州の出張ネタばかりではなんですから、ここら辺りでチョット一服。私の愛用するギターの1本を紹介をさせていただきます。まあ、よくあることでしょうが、単なる自分の持ち物のお披露目と自慢話ですから、勝手な思い込みや勘違い、独断と偏見もあるかもしれませんが、その辺はどうぞご容赦を。

 

 

このモナコイエローのストラトキャスターは、大好きなスコットランドのロックバンド、BIG COUNTRY(ビッグ・カントリー) http://www.bigcountry.co.uk/home.php のリーダーでボーカル&ギターだった、Stuart Adamson(故ステュアート・アダムソン)が後年ずっと愛用していた、ESP製ストラトキャスターを、外見上そっくりコピーしてオーダーしたものです。

 

    BIG COUNTRYは、83年の大ヒット「In A Big Country」が有名で、日本では典型的な一発屋の扱いを受けています。

 

何故、敢えて「外見上」と注釈を入れたかというと、元々の製造元であるESPや、ビッグ・カントリーのマネージャーであるIan Grant(イアン・グラント)氏に問い合わせても、その細かいスペックに関する資料が全く手に入らなかったからです。ステュアート・アダムソンは、モナコイエローとスペアのレッド(もしくは赤の強いチェリー・サンバースト?)を持っていましたが、どうやらカスタムオーダーではなく、一般の生産品を使用していたのかもしれません。その辺の状況を詳しくご存知の BIG COUNTRY ファンの方がいらっしゃいましたら、是非ご一報いただきたいです。 

というわけで、見た目にはそっくりに出来上がっていますが、ボディやネックの素材、ピックアップなどのパーツの細かい仕様については、彼の愛用機と本当に同じなのかは、確かめてみようが ありません。長年のファンとしては、フルスペック完全コピーといった形でオーダーをしたかったのですが、残念ながら仕方ありませんでした。

       

このギターをオーダーしようと思ったのは、ステュアート・アダムソンの自殺がハワイで確認された、2001年12月16日からしばらく経ってからのことです。彼が他界したからには、2000年5月31日に解散したビッグ・カントリーが、オリジナルメンバーで再結成されることは,永遠に不可能となりました。1983年「In A Big Country」の世界的なヒット以来の長年のファンとしては、非常に残念なことです。つまり、このギターは、私のごく個人的な思いを込めた、ステュアート・アダムソン・トリビュートモデルとでも言えばよいでしょうか。

 

ホワイ・ザ・ロング・フェイス

ホワイ・ザ・ロング・フェイス

  • アーティスト: ビッグ・カントリー
  • 出版社/メーカー: 日本クラウン
  • 発売日: 1996/07/24
  • メディア: CD

このアルバムは、一時脱退していたドラムのマーク・ブレゼジッキーが復帰した後の作品。ベテラン・バンドとして、しっかりまとまった音作りがされた、私のお気に入りの1枚です。特に10曲目、「Take You To The Moon」が、このバンドの全曲の中で一番好きです。この曲を是非マスターして、ステュアート・アダムソンの愛用と同じ(に見える)ギターで弾きたかったのでありました。ただそれだけの為に、発注から完成までのほぼ半年を待ち続け、30万円の大金をかけて?と思う人も多いでしょう。

まあ、世の中には、同じレコードの細かい仕様違いを5枚も10枚も集めたり、内容が毎日変わるワケでもないコンサートツアーをずっと追いかけ続けるような、コアなファンも多いのですから、一人くらいこんな人間がいても良いではないですか。それに、今もこれから先も、ず~っと弾いていくんですから。駐車場代や税金がかかるワケでもないし・・・そう、ランニングコストという部分で考えると、ギターを弾くという趣味は、とてもコストパフォーマンスが効いていると思うんですが・・・いかがでしょうか?

 

       

話がちょっと反れてしまいましたので、軌道修正。では、このギターをオーダーした時の仕様書が手元に残っておりますので、細かいスペックをご紹介します。このギターと同じ物をオーダーしようという物好きな人は、多分いないとは思いますが、今後なにかエレキギターをカスタムオーダーしようかとお考えの方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。なお、お世話になったESPの公式サイトは  http://www.espguitars.co.jp/ ですので、カスタムオーダーに興味のある方は、ご覧になってみて下さい。

      

●ボディ : アルダー単板、センター割り2ピース、極薄ポリ塗装 ●ネック/フィンガーボード材 : イースタン・ハードロック・メイプル 1/4 Sewn(クオーター・ソーン)柾目 1ピース、ツヤ消し塗装 ●スモールヘッド、トップ面ツヤ有り塗装 ●ヘッドロゴ : ESP #2 NYロゴ/ブラック ●スケール648mm、スリムUタイプ ●黒アクリル・ドット・ポジションマーク 直径6.5mm ●22フレット 細フェンダータイプ ●指板240R、指板サイド落とし込み ●ピックアップ : ESPオリジナル SS-RI-120(フロント&センター)、ESPオリジナル・ハンバッカー LH-200(リア)※昨年、トム・ホームズ H-453(アメリカ製)に交換 ●ペグ : GOTOH ストラト用シャーラー・タイプ クローム マグナム・ロック H.A.M.P ●ナット : カーボン 幅42mm ●ネック・セットパネル : クローム4点止め ●エンドピン : クローム ノーマルタイプ ●ピックガード : ブラック/ホワイト/ブラック 3プライ ●ブリッジ : ヴィンテージタイプ・スチールプレス ●シンクロナイズド・トレモロ : スチール・イナーシャ・ブロック ●メタルチップ付きトレモロアーム ●1ボリューム(CTS社製500k)、1トーン(プッシュ/プル リア・コイルタップ ※昨年、プッシュ・プッシュに交換)●テレキャスター用メタルノブ ●CRL 5Way P.Uセレクタースイッチ ●スイッチクラフト社製ジャック 

      

実は、オーダーする前は、かなり気楽に考えていたんですよ。なんせ、素人もド素人、超ヘタッピの自称「1日15分だけギタリスト」・・・ギターを一からオーダーしたことなんて、今までの人生で全くなかったワケですから。これこれこんな感じで、ってメールかファックスで伝えて、後は参考資料になるような画像でも送っておけば、それで作ってくれるんじゃないか、と・・・。甘かった!

で、送られてきたオーダーシートのフォーマットを見て、ビックリ仰天でした!上記のような、こと細かい部分まで、全部決めなくちゃいけないんですよ。でも、こっちは全然わからない。そこで、東京に出張する時に御茶ノ水のお店にお邪魔して、担当の方に色々と教えてもらいながら、細かい仕様の打ち合わせを進めることになりました。 さすがに、カスタムオーダー・エレキギターの草分けメーカーだけあって、担当の方も懇切丁寧に細かいことも教えてくれました。で、決まったのが上記のスペックってワケです。

        

正式にオーダーしてから2ヶ月くらいして、ボディとネックの塗装前の段階が出来上がりました、とメールに画像が添付されてきました↑↓まあ、これを見たからといって、出来上がりの弾き心地や音がどんな風なのかがわかる訳では勿論ありませんが・・・でも普通は、自分が弾いているギター、或いはこれから弾いていくであろうギターが塗装やパーツの組み込みをされる前の状態なんて、見ることは出来ないんですから、これは結構嬉しいサービスでしたね。ちょっと感動しました。

ESPの担当の方が、カスタムオーダーの場合は、通常生産のギターよりも更に良い木材を使いますよ!と明言していたのを思い出しましたね。下のボディの木目、それと上から4枚目のネックとヘッド裏の写真をご覧下さい。普通、アルダー材はキレイな木目が出にくいと言われていますが、これならナチュラル仕上げでも十分イケる木目だと思います。

        

この後、ボディと同じ切り出しのアルダーの小さな木片に、塗装を吹き付けたサンプルが送られてきました。↓ 色合いや発色、塗装の厚みや光沢の出具合などに要望があれば、何度でもやり直してサンプルを送りますよ、とのこと。私の場合、一発でOKでしたが。それにしても、この塗装の薄さ!中学生の時に生まれて初めて買った、某国産F社テレキャスターの極厚カチカチの塗装とは、どエライ違いです。

これぐらい薄い塗装なら、ポリ系塗装でも弦の振動を殺すことなく、いい響きを伝えてくれそうな気がしました(また、実際にそうでした)。実に丁寧な手作業ですね。ESPというと、最近は、すっかりヘビメタやビジュアル系御用達メーカーのようなイメージばかりが強いですが、トラディショナルなビンテージタイプのリプロダクションなどでも、実にいい仕事をするメーカーですね。この辺をもっとアピールしても良いのでは?!と思ってしまいます。

      

そして、塗装作業が終わって完全に乾燥し、パーツの組み込みが始まる前に送られてきた画像がこれです↓ 通常、カスタムオーダー品は、木材の削り出し→塗装→組み込みといった作業工程を、全て一貫して店内のアトリエで行なうのだそうです。このギターを作っている風景を見学することは、残念ながら出来ませんでした(本当は見たかった!)が、後日、他のオーダー品の製作過程を見学させてもらうチャンスがあり、非常に感動を受けました。

オーダーメイドをお願いした記念に、ネックポケットに製作を担当してもらった職人さんのサインを書き込んでもらうようにお願いしました。実は、ネックをボディからはずす機会がないので、まだ見ていませんが。 

         

さて、肝心の弾き心地と音について。

ネックの形状と太さ(厚み)は、ESPの店頭で数あるネックのサンプルを実際に触らせてもらって決めましたので、全く問題ナシ。指が短めの私でも楽に(上手に、とは別ですが)弾ける、「スリムUタイプ」、某社のEven C Slim に近いか、ほぼ同等だと思います。ステュアート・アダムソンは、私よりも体格がよかったハズなので、当然もっと太い(厚い)ネックだった可能性大ですが・・・

吸収性のある特殊な「ツヤなし」塗装は、最近人気のハイエンドギター各社でも見かけますが、塗装をしていない生の木の感触みたいです。弾いている時の滑りも良く、非常に弾きやすいですよ。

そして、素晴らしいのはスペック欄でも書いた、「指板サイド落とし込み」処理です。フレットと指板の端が、まるで弾き込んだビンテージ・ギターのような感触です。微妙に角が取れて滑らかになっているけれど、弦落ちするほど極端でもなく・・・変な引っ掛かりがなくて、心地よい握り具合とでも言いましょうか。じっくりと時間を掛けて、丁寧に慎重に行なわれた、まさに手作業の妙ですね。

フロントとセンター・ピックアップの出音は、各弦のバランスが良く、シャキッと太く明るい感じです。低音巻き弦の、ややもするとブーミーになりがちな感じとは無縁です。その分、ビンテージっぽい枯れた感じは全くしませんが、エフェクターの掛かり具合も素直で良いです。

ステュアート・アダムソンは、以前ちょっとだけシェクター製の似たようなシングル/シングル/ハンバッカーのストラトキャスターを使っていた時期があったので、ひょっとしたらピックアップはシェクター製かもしれません。シェクターもESPの傘下ですからねぇ・・・でも、いいんです。今の音で、十分に気に入ってますから。

 

元々付いていたリア・ピックアップも十分良かったのですが、もっと粘りのあるハンバッカーらしい音が欲しくて・・・レスポールとはボディ・ネックの素材もネックジョイント方法も違うので、同じ音が出るハズもないのですが・・・ちょうど、近所の楽器屋さんで出血大サービスの超出物がありましたので、即購入。高田馬場の有能リペアショップ Tones さん http://www.tones-gr.com/index.html で交換してもらいました。その時に勧められて、コイルタップ用のプッシュ・プッシュ・トーンポットを、トラブルの少ないプッシュ・プル式にも交換してもらいました。

TOM HOLMES(トム・ホームズ)のピックアップ・・・アメリカ製で本人の手巻き・・・は、評判通り、音がググッと前に出る感じで、粘りもかなりあるのに音の粒がハッキリしていて、まさにハンバッカーの理想です。コイルタップした音も上々で、ビンテージのようなベルサウンドのハーフトーンとは一味違う、力強さがあります。出力がかなりあるので、フロント&センターとのバランスが崩れた感はありますが、私はプロではありませんので、全く気にしていません。

全体的には、太くて明るめでシャキッとした、ロック向けの出音といえるでしょう。もう1本の愛用品ESP/Navigator のストラトキャスター(ソニックブルー、既製品)は、60年代初期から中期のビンテージをかなり忠実に再現しているようなので、それとは外見も出音も全く違いますね。どちらも、それぞれに好きです。

        

珍しく、随分と長編になりました。それだけ、このギターに対する思い入れと愛着がある、とご理解いただければ幸いです。それ故に、楽器屋さんでいいギターをみつけると、一瞬は心がかなり騒ぐものの、購入までには至らない今日この頃です。最近は仕事が忙しくて、しばらくはギターを弾いていない日も続いています。手元にあるギターたちを、もっと愛情たっぷりに弾いてあげなくては・・・と反省をすることも多くなりましたが、おとーさんは仕事が最優先。これも仕方ありませんね。

 

もう1本のESP/Navigator ストラトキャスター(ソニックブルー)、マッチレスのアンプ、愛用のエフェクターたちetcは、何時かは未定ですが、また別の機会にご紹介したいと思います。

 

 

次回からは、またレギュラーモードの「ニューメキシコ州出張レポート 番外編」に戻ります。次は、我がいとしのオルテガ社の外観を中心にお送りする予定です。 

 

Without the Aid of a Safety Net

Without the Aid of a Safety Net

  • アーティスト: Big Country
  • 出版社/メーカー: Emi Gold
  • 発売日: 1997/02/10
  • メディア: CD

前半は、往年のヒット曲のアコースティック・バージョンのオンパレード、つまり「アンプラグド」です。後半は、本来の引き締まったロックバンドの本領発揮といったところでしょうか。1983年に大ヒットした「In A Big Country」と、翌年のそこそこヒット「Wnderland」の当ライブ・テイクは、 スタジオ・レコーディング・テイクとは一味違った、ライブの良さを存分に味わえますヨ。

 

<追記>

 

9月15日(金)の東京出張の合間に、秋葉原ヨドバシカメラ7Fのタワーレコードで、「コンサート・フォー・ジョージ」のDVDを探していたら、何と「Without The Aid Of A Safety Net」のコンプリート版(CD2枚組)を発見&即購入!ご覧下さい↓モナコイエローでしょ ↓

さすが、コンプリート版!スモーキー・ロビンソンの「トラックス・オブ・マイ・ティアーズ」をアンプラグドでカバーしたのまで入ってるわ。これは聴くのが楽しみですわ!

 

 

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